DIY照明の配線方法
照明にもこだわりたい
さてDIYによるリノベーションはどんどん進んでおります。これまで床や壁といった内装のリノベーションを進めてきましたが、そろそろインテリア・装飾について考える段階にきております。
今回のテーマはインテリアの中でも重要な要素ともいえる、“照明”です。
ここまですべて自分好みの内装を自らの手で施工してきました。もちろんインテリアへも特別な気持ちで、こだわりの照明をとりつけ、素晴らしい空間を作っていきたいものです。
照明器具をDIY
ここまでセルフリノベーションをテーマに進めてきたので、この照明についてももちろんDIYで作ってみたいと思います。今回は照明器具を自分で作ってしまおうと思います。
電気系はこれまでとはまた違った分野で少々不安ではありましたが、調べていくうちにこれはイケそうだと確信しました。
自作照明初心者のみなさん、今回は照明器具の配線を中心に進めます。私の失敗と成功を見届け、参考にしてみてください。
照明器具DIYに資格は必要?
配線を含めた照明を自作しようと思い立ったところで、ある疑問を持ちました。
「照明作りに資格は必要なのか?」
これです。家の電機関連の工事をする際には“電気工事士”の資格が必要。ここまでのリノベーションでは実際に電気工事は業者に依頼しました(過去記事:失敗しないDIYリノベーションで業者に任せるべき2カ所)。今回のDIY照明器具についても、資格が必要なのでは?そう思ったわけです。
照明器具DIYは無資格で大丈夫
調べていくと、答えは簡単に見つかりました。
“電気工事士の資格が無くとも、照明器具のDIYはオーケー”
もう少し詳しく説明します。
正確には照明器具の配線を含むDIYは“工事ではない”ということです。天井より向こう側、コンセントの壁の向こう側を触ることはNGです。これは“工事”であるという判断で、工事士の資格が必要となります。
配線の含む照明器具のDIYは言うならば、“工作”です。これは我々のような素人(それでもたくさん調べて勉強しましょう)でも一応OKです。もちろん電気を扱うことに変わりはありません。細心の注意を払って作業をしましょう。
ということで安心して、照明作りに取り掛かれます。
照明をDIY配線
照明の仕様
それでは、今回DIYで配線から作る照明器具の仕様から説明していきたいと思います。
目指す照明は、吊り下げ式照明です。つまりはペンダントライトという照明です。天井から、コードやチェーンなどでぶら下がる照明です。
様々なシチュエーションで多用されている照明で、シェードデザインの自由度も高く、素人にはもってこいの照明であります。ランプシェード作りについては別記事でお伝えしますので、今回はコード付きソケットをDIYします。
我が家では照明の電源はライティングレール(ダクトレール)から供給するので、今回は「ライティングレール用コード付きソケット」をDIYします。
コードを準備
それでは早速、照明の配線に取り掛かりたいと思います。まずはコード部分の加工から行きたいと思います。
とはいっても当然手元には材料すら無い状態です。まずはコードを準備します。
吊り下げ照明のコードの種類ですが、大きく分けると2種類あります。
1つ目は「丸打ちコード」。コードの断面が円型になるものです。吊り下げ式の照明コードと言えば、この丸打ちコードで、かなり広く使われ、見かける機会も多いです。
2つ目は「ツイストコード」。他に「ねじりコード」「撚り合わせ(よりあわせ)コード」とも呼ばれます。その名の通り、ネジネジになったコードです。今回はこのツイストコードを使用します。理由はカッコイイから。
カッコイイ以上の理由はありませんので、反対にツイストコードのデメリットを3つ挙げておきます。
- 掃除がしにくい(ホコリをふき取りにくい)
- 丸打ちコードと比べ価格が高い
- ホームセンターに売っていない
何気に照明コードはホコリを集めます。このリノベーション初期の解体作業時でも、古い照明コードにはびっしりとホコリがついていました。これがツイストコードだと、雑巾でふき取るにもネジネジのため一苦労。
価格においても、感覚として丸打ちコードの3、4倍のお値段です。
近隣のホームセンター4店舗ほど探し回りましたが、ツイストコードを置いていた店はなんとゼロ。超大型店舗や電器パーツ専門店ならば可能性はありますが、私のような地方在住の方はネット買い確定です。
上記のデメリットを分かっていながら、ツイストコードを使用します。そう、カッコイイからだ。
ツイストコード単品を量り売りしているネットショップも限られ、しかもオシャレネットショップは何故か割高傾向にあります。ここはネットサーファーとしての手腕が試されます。
今回はコード800mmの照明を3つ作るので、予備を含め4m購入。
コードの下準備
ツイストコードを無事購入できたところで、次はツイストコードに下準備を施します。
まずは必要な長さにカットします。800mmでカットします。
この段階でライティングレール用プラグのパイプパーツをコードに通してしまいます。点線〇の部分が取外せるので。後でこれを忘れていると大変面倒くさいことになってしまいますので。
続いてコードの先端から30mm程のところでなどで綿を切り、中のビニールに覆われた銅線被覆を出します。この時に銅線の被覆まで切り付けてしまわないように注意。
カットすると、コードの綿がグチャっと散らかり見た目がよろしくない。この毛羽立ち対策に熱収縮チューブをコードに通しておきます。チューブや絶縁キャップは常に工程の前段階に装着。忘れると後で面倒なことになります。忘れずに。
熱収縮チューブと言われても私も最初はピンときませんでした。普通の絶縁キャップは熱では縮みません。熱収縮専用のチューブです。今回使用したの径8mmのチューブ。
熱収縮チューブはこの時点では固定されていなくて大丈夫。イイ感じです。
続きまして、この銅線の被覆(ビニール部分)をむいていきます。ここで使用する工具が電工ペンチ。被覆をむくことはカッターなどでもできますが、この後でも活躍するので必要工具です。
今回使用しているコードの銅線サイズは0.75、電工ペンチのワイヤーストリッパー部分で被覆をむいていきます。これで銅線があらわになります。
銅線は指でつまんでねじった後に、絶縁キャップを通しておきます。
上の画像のような状態になります。ここまで順調です。ここまではツイストコード両側同じ状態にしておきます。
コード下準備の仕上げに、今回使用するソケットに付属していた、絶縁ファイバーに銅線を通して下準備完了です。
これでコード付きソケット照明のコード部分の下準備が完了です。
絶縁キャップの取り付け忘れ防止のためにも、工程を区切ります。
圧着端子をつける
続きまして、下準備を施したツイストコードに圧着端子を取り付けていきます。
使用するのは、「丸型圧着端子」というもの。ネジ締め式のソケット、プラグに対応した接続パーツです。これをむき出しになった銅線に取り付けます。
丸型圧着端子へねじった銅線をくぐらせます。この時、銅線を1本たりともはみ出ないように、圧着端子にくぐらせます。
このあたり非常に重要な工程です。圧着端子を省いて、銅線をソケット&プラグに直接巻き付けるなどは絶対にしないようにしましょう。
そして、電工ペンチでかしめていきます。
かしめることが出来たら、端子が抜けてしまわないか引っ張ってチェックしておきます。抜けてしまったらパワーが足りないなどしっかり噛んでいないということになります。
圧着端子をかしめたら、先ほど通しておいた絶縁キャップを被せます。絶縁キャップは必須。もし絶縁キャップを通し忘れていたら、銅線を切ってやり直し!!
最後に収縮チューブに熱を加えていきます。ヒートガンなどがあれば良いですが、ドライヤーでも大丈夫です。今回は足元にあった赤外線ヒーターで縮めました。収縮チューブの使用は初めてですが、どうやら赤外線ヒーターでもOKみたいです。
コード両端の毛羽立ち対策に取り付けた収縮チューブでしたが、これでばっちり毛羽立ちが抑えられました。。
これでコードへの加工は完了です。初めてのDIY配線加工ですが、なかなか良い仕上がりではないでしょうか。
ソケット配線
ツイストコードの加工が完了し、次の工程に進みます。続いてはソケットの配線です。
今回使用するソケットは、ネジ締めタイプの陶器製。口径は汎用性の高いE26のソケットを選びました。ポイントとしては、なるべく小型の物を選んでます。
ソケットパーツ単品はホームセンターだと高価だったり、ラインナップが少なかったりするのでネットで購入。
白色のソケットが主流のようで、黒色に絞って探すとあまり種類はないようです。メーカーにはもっと黒色のバリエーションを増やしていただきたいものです。
それではさっそくソケットを取り付けていきます。
配線はいたって簡単。ソケットのネジを一度外し、丸型圧着端子を通してもう一度ネジを締めるだけ。
このDIY照明配線する前は、ソケットがこんな単純な取り付け方がされていたことは知りませんでした。配線はただのネジ締めのみ、ドライバー一本です。
これでソケットへのコード配線は完了です。
プラグの配線
ソケットの取り付けが完了したら、次はプラグへの配線です。
DIYのいいところはやはり、プラグなどから家に合わせた設計にできるという点ですね。引掛けシーリングからの変換プラグなど必要ありません。最初からライティングレール用のパーツで組んでいけますからね。
前の工程でも出ていますが、今回使用する照明プラグはシンプルなものです。ライティングレール用プラグパーツ単品も多くの種類は出回っていません。低価格を求めるとだいたい今回使用するプラグにたどり着きます。
耐荷重は5キロのようで、そこそこ重さに耐えてくれます。5キロマックスの照明を取り付けたら、正直天井側が不安で仕方ありませんが・・。今回作っている照明は非常に軽いので加重の心配は特にありません。
このライティングレール用プラグも取り付け方は非常に簡単。外装のネジを外して解体、その後は中でネジ締めすれば配線完了です。
あとは外側のネジを締めて完成です。
完成
全ての配線が無事完了し、これでDIYライティングレール用コード付きソケットは完成となります!ここまでたどりつくのに時間は30分程度でしょうか。もう一度同じ作業をしろと言われたら、半分の時間で作れる自信があります。それくらい素人でも簡単といえる作業内容でした。
完成したところでさっそく電球を取り付け点灯させてみましょう!
果たしてDIY照明は明かりを灯してくれるのでしょうか・・・
ソケット口径はE26なので、適当な電球を取り付け、いざ点灯!!
合計3つ作成しましたが、全て一発で明かりがつきました!感動です。ソケット、プラグ両側ともに配線には問題ありません。若干コードが真っ直ぐに降りてきていませんが、時間の経過で真っ直ぐになるでしょう。
DIYライティングレール用コード付きソケット、見事完成でございます。
使用アイテム
今回使った資材と道具をまとめてみます!
今回はテクニカルな作業ではなく、必要な資材を組み立てていくといった感じでした。
電工ペンチやノーマルペンチも家に置いてあって損はない道具ですし、この際買ってしまうことをおすすめします。
ここのLED電球がとにかく安いです。 LED電球自体の値段も下がってきていますが、それでも尚安い。試してみる価値はあるかな?
ちょっと凝った資材ってホームセンターに無いので、送料節約で電球などもまとめてネット買うのが良いかと思います。
価格
それでは今回、自作ライティングレール用コード付きソケットにかかった費用を算出してみたいと思います。
今回は計3セット作りましたが、1セットあたりの価格を出してみたいと思います。
はたしてDIYによってどれくらい価格を抑えられたのか・・・
ツイストコード・・・¥410
ソケット・・・¥152
プラグ・・・¥278
丸型圧着端子・・・¥60
熱収縮チューブ・・・¥30
絶縁キャップ・・・¥40
合計 ¥970
やはりツイストコードが価格の大半を占める結果となった。これを丸打ちコードした場合、半額近くなる。だが実際に完成して吊り下げてみても、やはりツイストコードは譲れないカッコよさがあるのだ。
またこのことから、ツイストコード付きソケットの既製品は高価であるということにも納得できる結果を得られたとも感じました。
各家それぞれの事情があり、自由にカスタムできるDIYコード付きソケットは十分な価値があることも証明できました。
かっこよくて、高貴な照明コード。それがツイストコード。
まとめ
今回はDIYでも敬遠されがちな照明の配線をやってみる。ということで、ライティングレール用コード付きソケットを自作してみました。
照明器具のDIYには専門的な資格も不要とのことで、実際にDIYしてみてもとても簡単な作業でした。ただし!特に銅線がむき出しになる部分には細心を注意を払う必要がある。
万が一今回紹介した工程を辿って問題が発生しても、自己責任でお願いします。
結果として、照明配線もDIYしてしまえば、憧れのツイストコードペンダントライトも安く作ることができます。
次回ははいよいよこの照明にランプシェードを取り付けたいと思います。もちろんランプシェードもDIYしたいと思います。はたしてオシャレなペンダントライトは完成するのでしょうか。