DIY漆喰塗り
今回行うセルフリノベーションは漆喰塗りです。建築素人、DIY初心者でも漆喰というワードは聞いたことがあるのですが、よく知らなかったというのが正直なところです。今回は漆喰の解説も含めて、実際自分で塗ってみたのでこれから漆喰塗りにチャレンジするという方は参考にしてください。
漆喰を塗る前
漆喰とは?
まずは肝心なそもそも「漆喰」とは何?という疑問。漆喰=白いくらいのイメージしかありませんよね。
漆喰とは、水酸化カルシウム・炭酸カルシウムを主成分とした練って塗り、硬化する建材です。普通に売られている粉末状・練り済みの漆喰は、消石灰・麻すさ・海藻のり・炭酸カルシウムを混ぜわせたものです。わかり易い使用例は城の外壁です。城の外観をイメージすると瓦に白い壁。この白い壁が漆喰です。
最近注目されているのが漆喰を住宅に塗った際の効果として、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを吸着して分解するというもの。
どうもこの漆喰は自然派、無添加とかその類に入るアイテムであるということです。
メリット・デメリット
この漆喰、いいことばかりならば世界の住宅全てが漆喰になる。世界が真っ白になるのですが、そうではない。ということでこの漆喰のメリット・デメリットを挙げてみます。
メリット
■白さを長くキープする
■火に強い
■臭わない
■調湿性能
■脱臭効果
■ホルムアルデヒドを吸着分解
デメリット
■重い
■左官技術が要る
■塗り場所を選ぶ
■柔軟性が無い(ひび割れの可能性)
思いつくのは以上です。メリットから一つピックアップするならば「白さを長くキープする」という点です。また汚れてしまってもサンドペーパーで擦るか、上から薄く塗りなおせばOK!スゴイ素材です。
塗る壁の種類
今回漆喰を塗る壁の種類は3つ、一つ目は「聚楽壁(じゅらくかべ)」、二つ目は「繊維壁」、三つ目は「コンクリート」。コンクリートは長押裏を補修した部分です(過去記事あり)。
漆喰塗りで一番心配なのは、塗った後にアクが出るのか出ないのか?このアク問題、塗る前には本当に悩みました。最初にシーラーを塗ったほうが良いのか?初の漆喰塗り、それはもう疑問だらけです。
今回はこの3種に漆喰は塗っていくので、参考にしてみてください。
漆喰選択
漆喰を塗ることに決意したところから、いよいよ漆喰選びだ!漆喰の種類も細かく言うといろいろあるみたいだけど、私たち素人からすると選択肢は大きく2つ!
自分で練るのか、練済み買うのか。
この二つである。
ですが、絶対練済み買った方がいいです。練済みの漆喰を買いました。
セルフ漆喰練りに向いている人は、パワーミキサーを持っていて一度に大量に漆喰が練れて、なおかつ多くの人員を使って一気に塗ることができる人。これ以外の人は練り済み漆喰。
あとでも書きますが練り済みがめっちゃ楽です。2kgずつに小分けされて、計10袋で届きます。それとシーラーですが、使用しません。下地材不要の言葉を信じ、ノーシーラーで特攻です。
今回使用する練り済みの漆喰意外の既製品といえば!「うまーくヌレール」という超メジャー商品がある。嘘みたいなネーミングである。
今回購入した漆喰との差が何なのかわからない。
今回使用した漆喰は、うまくヌレールよりもなんと¥6000〜¥7000程安いです。コスパ最強の漆喰を発見できました。その安い漆喰は記事後半で紹介します。
うまーくヌレールではなくとも、本当にうまーくヌレーるんか最後まで読み進めて欲しい。
養生は厳重に!
漆喰を購入したところで、さっそく塗る準備に入る。まずは養生。
この養生、厳重に行ってください。塗る系DIYの失敗はだいたい、下地処理をサボるか、養生をサボるかのどちらかである。
「丁寧に塗るから端っこだけマスキングテープで十分♪」私もこれで案の定後悔した人間です。
先に言いますが、付着した漆喰は硬化します。衣服に付けば取れない。洗濯しても取れない。固い面に着いた場合はポロッととれますが接着面はシミっぽくなります。
養生が完了し後、ヨッシャと写真撮影。
今思う、こりゃノーガードすぎ。
レイセフォーもビックリのノーガード。
新品コンセントカバーも無くさないように外して、柱に貼り付けてありますが、
数時間後には漆喰まみれになります。
ポイントはとにかく、端以外にも養生すること。下の写真のピンク色の部分とか特に厳重に養生しましょう。
こちらもスイッチカバーが可愛くぶら下がっていますね( ^ω^ )かわいそうに( ^ω^ )
新聞紙をセロテープで貼っただけでも良い。思わぬところに必ず漆喰はつくので、必ず守ること。
コンセントカバーなども外し柱などにはぶら下げず保管。コンセントは養生テープなどで塞いでおきましょう。ポツポツ漆喰が落ちるので、床の養生も必須です。窓ガラスなどもしっかり養生するように。
養生は時間のかかる作業。割り切ってしっかりと行いましょう。
壁に漆喰を塗る
1回目塗り
それではさっそく漆喰塗りを行う。
漆喰をお馴染み奇跡のおひつフタ(過去記事あり)に取り出し、セット完了。塗っていく。
今回使った左官具は、鉄コテ、プラスチックコテ(小)、そして下地ベラ(地ベラ)です。結論から述べますが、地ベラが最強です。プラスチックコテも良いですが、コスパを考えると圧倒的に地ベラです。
他の場面でも多用するので買っておくべし。
地ベラで慣れてくるとそこそこの早さで漆喰が塗れます。さてこの漆喰の塗り方ですが、素人DIYで漆喰を塗ろうも塗り方がわかんないという方がほとんどでしょう。ここで素人の私ながら、塗り方の正解らしきモノにたどり着いたので紹介しておきます。その極意とも言える上→横→横。わかりにくいので図で説明。
これでスイスイ。ヘラを寝かせると跡も残らずきれいな仕上がり。
1回目塗りは、擦り込むように塗ります。下地が透けて見えるくらいで大丈夫です。この擦り込みも鉄コテよりも地ベラの方が力が入ってGoodです。
この日は友人2名も手伝ってもらい、かなりの時間短縮。本当に周りの方々にお世話になりっぱなしです。作業面積はかなりのもの。実際は修行のような作業でひたすら塗りました。私の周りの友人一同もDIYスキルが上がり始めました。オモシロ事故なども発生せず一回目塗り終了。乾かします。
灰汁の出現
最も心配していた、漆喰を塗った後のアク。
アクというのは、漆喰を塗ったあと下地からしみ出てくる黄ばみ。今回は聚楽壁、コンクリート、繊維壁に漆喰を塗りました。はたしてこの中でアクを出したのは・・・。
聚楽壁→アク出ない
コンクリート→アク出ない
繊維壁→アク出た
繰り返す、繊維壁→アク出た
1回目塗り終了後、翌日には繊維壁からアク出現です。もう恥ずかしいくらい黄色い。
やっぱりシーラーを塗るべきだったかと。このまま2回目塗りを強行し、またアクが出現したらどうしようかと。
写真だと分かりにくく申し訳ない。斑に黄ばんでいる。
ここで漆喰を購入した販売店へ問い合わせ・相談をしてみる。
「めっちゃアク出た助けて」
返ってきた言葉は曖昧で「完全に乾かしアクを出し切った後に2回目を塗る」「それでもアクが出る場合もある」。この上ないケースバイケースである。
当然である。我が家の繊維壁を直接見ていないのだから、無理な相談をしたのは私。
ただ、教えてもらった確定情報は「漆喰の食いつきをよくする材料は入っているが、アク抑え的な材料は入っていない」とのこと。
この漆喰にアク抑えの役割はないという確かな情報から、2回目塗りを狭い範囲で行いまたアクが出てしまったら、シーラーを塗ろうを決めました。
1回目塗りから1週間の期間を空け、アクの出た繊維壁にお試し2回目塗り。
翌日、翌々日、黄ばみ無し。あれだけ悩んでいたのに、よく乾かして2回目を塗ったらあっさりアクが止まった。真っ白。悔しい。悔しいけど追加20kg発注。
2回目塗り
アクの問題が解消され、ここから仕上げのため漆喰2回目塗りをしていく。これが仕上げ塗りでもあるため、仕上がりを意識し、丁寧に塗っていく。
1回目塗りの時よりも少し厚めを意識して塗っていく。しかし!厚すぎると確実にひび割れを起こす!焦らず少しだけ厚め。
この練済み漆喰の特徴というか、気になった点は袋からコテ板に取り出してしばらくは漆喰の感触が非常に固い(塗りやすい)。これは空気が混ざっているせいなのか、時間の経過で空気が抜けると柔らかくなっていく(少し塗りにくい)。硬化開始直前のピーク時はトロットロです。漆喰の固さに合わせて、塗る力加減を変えていくのがコツです。
1回目塗りの時点で辛かったですが、真っ白い壁を手に入れるため根性で2回目塗り!
追記:漆喰を塗り、10か月が経とうとしていますが、黄ばみ・灰汁・ひび割れは一切ありません。灰汁は出てくる気配すらないです。真っ白のままです。
この10か月以内に小さな地震も何度かありましたが、ひび割れはありません。(2017.1.16追記)
完成
アクの悩み、塗り範囲の広さ、それらを乗り越えついにDIYで漆喰塗り完成です。
素晴らしく白いです。別の家になったかのような変貌を遂げました。部屋の匂いも無臭になりました!とってもフレッシュな雰囲気になりました。
バッチリ安い練り済み漆喰でうまーくヌレータ!
今回使用した漆喰はトータルで38kg。塗り面積は追って算出します。価格にして¥16000といったところでしょうか。
使用した漆喰
そして今回使用した、うまくヌレールよりも安い、コスパ最強の漆喰がコイツ。
やはり値段がかなり魅力的です。うまくヌレールを買おうとしているならば、ちょっと待った!ですね。
まとめ
今回はDIYで漆喰塗り。セルフリノベーションで漆喰塗りをするという一つの憧れを達成することができました。
今回行ったDIY漆喰塗りの大まかな順序は
- 漆喰選定
- 養生
- 1回目塗り
- 乾燥
- 2回目塗り
- 乾燥
ポイントは「アクが発生しても狼狽するな」です。これでモダンで和風な真っ白い壁を手に入れることができました。一気に和室を変えたいという方にはおすすめです。
次回は「DIYでタイル貼り」を行います!