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DIYでプリント合板に壁紙を貼る~下地編~|セルフリノベーション.com

DIYでプリント合板に壁紙を貼る~下地編~

ここまで素人による、DIYセルフリノベーションを取り組んできました。ここまでは正直なところ、さほど高いクオリティを求められる作業というのはありませんでした。ですが、今回は違います。

今回行うのはプリント合板のクロス仕上げです。プロがやっていることを真似し、にどこまで近づくことができるか?実際にやってみました。

 

プリント合板クロス仕上げ

プリント合板とは

まずはプリント合板とは何か?このプリント合板、諸先輩方に聞いたり、見せると必ず言われるのが「はいはい、昔流行ったよな」という一言。時代を象徴する内装材なのであろう。簡単に説明すると薄いベニヤなどに木調プリントが施された合板です。現在でもこのプリント合板は売られているし、決して現代で“無くなった物”ではないが、着実に新築の一般住宅では見かけなくなっている。printgouban_13

正直このプリント合板仕上げの壁がどのテイストを目指しているのか、イマイチわからない。洋風であるものの、北欧風でもないし、冷静考えると何なんだコレ

壁一面が茶色という、慣れてしまうと気づかないが、色の強さとしては上位クラスであることも忘れてならない。木調プリントという嘘臭さにも腹が立ってきた。もうプリント合板の負のイメージが止まらない。プリント合板の悪口はこの辺にしておいて、今回はこの古臭いプリント合板をなんとかしていきたい。

 

クロス仕上げ

プリント合板からの変更先として考えられるのが、「ペンキ塗装orクロス(壁紙)」。今回はクロス仕上げを目指していきます。どちらにするか本当に悩みましたが、たどり着いた答えは「塗装は難しすぎる」。色むらなどの不安はもちろんのこと、耐久性なども考えて、今回はクロス仕上げを目指していきます。価格の観点からいっても、クロス仕上げの方が安いと思われます。

 

下地作り

釘抜き

まず最初はプリント合板の壁にはたくさんの釘や画鋲が残っていたので、これらを抜いていきます。コレを残しておくと壁紙を貼る際に壁紙を突き破ったり、ケガの元になるので、入念にチェックしていきます。そしてペンチなどで引っこ抜きます。頭の無いような釘はハンマーで打ち込んでもOK。

画鋲の頭が折れた物が多く残っていました。

 

汚れ落とし

続きまして、プリント合板表面を汚れを落とします。壁ってよく見えないだけで、かなりホコリなどめっちゃ吸着しています。下地材を塗るには無論よろしくないので、ふき取っておきます。ウエス・雑巾でなどで水拭きします。プリント合板が古すぎるのか、グングン水分を吸収してくれます。黄色や茶色の汚れがたっぷり。

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養生

こちらも下準備、養生作業です。後にパテなども使用しますので、プリント合板の壁周りの廻縁や床などを守っていきます。マスキングテープ、フィルムの養生シートを使用。

 

ファイバーテープ

そしていよいよ、本格的な下地作りへ突入。プリント合板の継ぎ目の溝にファイバーテープを貼りつけていきます。素人にとってファイバーテープなんて取り扱ったことなど無いアイテムです。このファイバーが何か?は、後に身をもって学ぶことになるのですが、簡単に言えば網テープ。

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次の段階で行う溝のパテ埋めの際、割れ(クラックというらしい)を防ぎつつ、よりフラットな壁下地にしてくれます。プリント合板の溝の間隔が狭い場合、当然ファイバーテープの使用量は多くなりますので注意。この家のプリント合板は運悪く、溝の間隔が狭く、約280メートルも使用しました。

素人の感覚からすると、ファイバーテープちょっと値段が張ります。そして近隣ホームセンターには全然ラインナップがありませんでした、あっても非常に価格が高い。ネット購入を強くおすすめする。

 

パテ埋め

溝にファイバーテープを貼ったところで、その上からパテで埋め、フラットな壁下地を作っていきます。ここで使用するのが、プロも御用達のヤヨイのシールパテです。ヤヨイの回し者と思われてしまいそうですが、調べていく中でこれ以上の選択肢が見つかりませんでした。最も価格が安い販売店も見つけることにも成功。

このシールパテをゴムヘラでひたすら溝に塗りつけていきます。今回はこれまで使用してきたコテ板こと奇跡のおひつ(過去記事参照)に性能の限界を感じていましたので、余ったフローリング材と木片でコテ板を新調しました。これがまぁまぁ重い。

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ゴムヘラの使い方にはもう慣れたと思っていましたが、難しい。ですが、しり上がりに上手くなっていきます。ポイントは塗り厚にムラが出ないように一定の力加減で塗っていきます。

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とにかくフラットになるように意識して塗っていきます。この間、特にハプニングは起きません。精神を統一し、ひたすら塗ります。

気づくと4kgシールパテがあっという間に無くなり、追加発注。気づくとまた4kgシールパテが無くなり、追加発注。気づけばこれを4回も繰り返し、合計使用量は16kgはじめから18kg容量のシールパテを購入した方が安いという素人らしい失敗を犯しました。

 

ひとまずはこれにて全体のプリント合板の溝をパテ埋めすることができました。

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研磨

続いて研磨です。先ほどとにかくフラットになるよう意識し塗ってきたパテですが、乾燥後に触ってみると、驚くほどに凸凹そしてザラザラ。これをハンドサンダーで研磨していきます。ハンドサンダーもセルフリノベーションには必須アイテムです。

 

サンドペーパーは#80を使用。すぐに目詰まりを起こすので、こまめにペーパーは交換していきます。研磨するとパテは驚くほどにツルッとしますよ。

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分かっていましたが、この研磨という作業が過酷を極めます。正直どの程度サンディングすればよいのかもわからないので、とにかく入念に行います。

下地をサボったら負け。その一心でひたすらハンドサンダーを上下に動かします。

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一通り作業を終え気づくと、細かく刺すような痛みが両腕にまとわりつくように発生。ついに腕が壊れたか…と思いましたが、違う。ファイバーテープの仕業です。ここで知ったのですが、ファイバーテープのファイバーとは“グラスファイバー”。研磨でファイバーテープも一緒に削られ、肉眼では見えないほどの繊維が腕に刺さりまくり。またしても素人らしい失敗です。シャワーを浴びても痛いです。みなさんは長袖で研磨しましょう。

 

パテ&研磨を繰り返す

一度パテ埋めと研磨を終え、再度プリント合板の表面を触ってみると、パテが痩せて完全なフラット状態ではないことが分かります。

この場合は、またパテ埋め→研磨を繰り返していきます。2度ほどで大部分はフラットになるのですが、それでも、見逃している凹凸があったりするので、入念にチェックする。下地が命。とにかくフラットを目指す。

微妙にパテが盛られ過ぎた箇所もあるので、微調整が必要です。盛りすぎたところはスクレーバーで削ぐ→研磨→パテ→研磨とこれでもかというほどにフラットを目指す。

ここまで本当に単調な作業ですが、かなり時間をかけています。文章にしてみても単調です。週1の作業頻度ですが、ひと月以上かかってます。中途半端な気持ちでプリント合板から脱却は難しいです。

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捨て糊

プリント合板だった壁は溝が完全に無くなり、フラットな壁になりました。次は捨て糊を塗っていきます。

プリント合板の表面はとってもツルツル。このツルツルの表面では壁紙(クロス)の糊もはじいてしまう。そこで、捨て糊と言われる、壁紙糊の下地糊を塗っていきます。素人からすると、どうしても捨て糊って呼称からも「それ必要?」と思ってしまう。絶対絶対絶っ対必要である。

今回使った捨て糊は、コレ。容量の段階刻みが細かく、使いやすいです。

ここで素人らしいの悩みが生まれた。同じ悩みの人はいるはず。

それは、パテ埋めと捨て糊の順序である。失敗は許されない。

パテが先か?捨て糊が先か?この時点で既にパテを塗っているので、私は前者なのだが、今回は両方ともに同一メーカーの商品を使用したので、施工前にはメーカーに問い合わせをしていた。

答えは「捨て糊(プラゾールSS)が先」。理由は「パテ(シールパテ)の吸着が良くなるから」だそうです。それに従うのも良いとは思いますが、そもそもシールパテはどこでも吸着することがウリなのに、念のためとはいえ、捨て糊をパテの下地にする必要があるのか?先に捨て糊を塗ってしまっては、シールパテの特性を否定し、さらに壁紙糊にとっては均一な下地では無くなってしまうのでは・・・。面倒なユーザーだと思われて仕方がないです。

そこでお世話になっているプロの方に相談すると、パテ→捨て糊で問題ないという答えが。現場の声はパテ→捨て糊。

そして気づく。「これ、どっちでも良いやつ…だ!!」

 

捨て糊は乾燥後もネチネチします。捨て糊後にパテ塗ってサンディングしてはネチネチが原因で研磨の作業効率が落ちると踏み、最終的にパテ→研磨→捨て糊に落ち着きました。

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ここまで端正込めて、パテと研磨を繰り返してきたプリント合板。捨て糊の塗布は楽勝です。ローラーで一気に塗っていきます。

捨て糊前↓

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捨て糊後↓

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塗った後の壁の状態としては、ネチネチした薄い塗膜ができた感じ。塗りたては白いですが、乾燥するとテカりのある透明になります。素人のみなさん、これが捨て糊だ。

これでプリント合板クロス仕上げの下地は完成です。

 

価格

今回のプリント合板のクロス仕上げ下地作りにかかった金額をまとめてみます。

 

施工面積:45.0612㎡

ファイバーテープ(333m) ¥2,800

シールパテ(16kg) ¥12,356

捨て糊(4kg) ¥3,456

ハンドサンダー ¥1,400

その他小物(マスキングテープ、ヘラ、ローラー等) ¥3,000

合計¥20,012(送料・税込み)

1㎡あたり¥444

 

ひとまず、下地づくりの段階で以上のような価格ですね。ここからさらにクロスや壁紙貼り専用道具などが加算されていく予定です。

こりゃひょっとすると、プロに任せた方が安いかもしれませんねw

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まとめ

今回はプリント合板のクロス仕上げを目指し、下地作りを進めていきました。一軒家のDIYセルフリノベーションを試みるとにこのプリント合板は高確率で出現すると思われます。

プリント合板の上から、壁紙を貼るという簡単な発想で、簡単な施工かと思われました。ですが、下地作りが最重要工程であり、難度・作業量ともにヘビー級です。

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今回のプリント合板のクロス仕上げ下地作りの作業順序を大きくまとめると、

  1. 清掃
  2. 養生
  3. ファイバーテープ
  4. パテ塗り
  5. 捨て糊

以上のような手順となりました。これからDIYでプリント合板のクロス仕上げを目指す方の参考になればと。

次の工程でいよいよ、壁紙貼りに進んでいきます。はたしてどこまで美しく仕上げることができるのでしょうか。お楽しみ。

>>>続きを読む(DIYでプリント合板に壁紙を貼る~仕上編~|セルフリノベーション.com)

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