水性ステインDIY
本日は室内木部の塗装を行っていきたいと思います。一通り壊す作業を終え、前回の「長押裏の補修」に引き続き、作っていく作業を行っていきたいと思います。
木部の色を変えたい
今回塗装したいのは主に和室だった場所です。モダンな和室へとリノベーションしていくという目標に向かって、塗装を行います。なぜ塗装をしなければならないのか?それは一つ。色が気に食わないから。

これまでの和室の木部の色は明るく、僕の中のモダン(モダンの正しい意味はあえて調べていない)とはかけ離れた色だったので、これを機に落ち着いた色味を目指していきたいと思います。
塗料の選定
まず塗装する場合に考えなければならないのは、どうやって色を変えるのか?つまりどんな塗料を使用していくのかということ。
完成イメージは「木調を活かしつつ暗い色にする」。これを叶えてくれる塗装方法を考えていきます。
木調を活かすので、完全な色の塗膜を作るペンキではなく、染み込ませ“染める系”の塗料がふさわしい。
塗料の種類
塗料の選定を行っていきます。まずは木目を生かし、色をつけるというとまっ先に思い浮かべるのが「ステイン」。そしてステインにも大きく分けてに2種類あります。それは油性と水性。簡単に油性と水性のメリット・デメリットを紹介してみます。
油性ステイン(オイルステイン)
メリット:乾燥が早い、臭い、耐久性がある、塗りやすい
デメリット:ニス塗布が必要、片付けが面倒、ペイント薄め液(シンナー)を使用する
水性ステイン
メリット:臭いが少ない、水で薄められる、水洗いできる
デメリット:ニス塗布が必要、耐久性が低い
ネオステイン
木部に色をつけるにはステイン路線に決定しましたが、油性・水性の選択にかなり迷いました。ですがさらに調べていくと、とんでもない代物に出会いました。
その名も「ネオステイン」。
コイツがすごかった!コイツがヤバい。
正式名称は和信化学工業株式会社から発売されている「No.3900 アクレックス ネオステイン」。
“ネオ”の名の通り、ネクストステージのステインといっても過言ではない。基本的性能は水性ステインだが、ネオステインはニス(クリアー)仕上げが無くてもイケる(色移りが少ない)。オイルステイン並に塗りやすい(伸びが良い)のである。しかもカラーラインナップもそこそこある!デメリットを挙げるならば、近所のホームセンターには売っていなかったところ。だけど楽天、アマゾン、モノタロウには出品されているのでメイウェンティー。
色選定
今回木部の塗装に使う塗料はネオステインに決定したところで、続いては色の選定である。この色の選定が非常に難しい。公式ページに掲載されているカラー見本画像が以下。

先に言いますが、私は「N-9オーク」を購入しました。このカラー見本の通りの色を出すには当然ならがら下地が大きく関わっています(PCモニターも関係します)。標準塗装工程などの記載もありますが、そんな正確な作業、素人にはなかなか酷です。
カラー見本は系統の目安程度に、直観でチョイス!「何が何でも予定通りの色を!」という方は各色購入するしかありません。
届いた商品がコチラ。4L缶です。

下地を調整
商品が到着しても逸る気持ちを抑えてください。塗る前には下地を調整しなければなりません。この下地調整をしないと「あれ?染み込まない」「染まらない」ということになってしまいます。
少しサボると私みたいに良く染み込んだ箇所、染み込まなかった箇所で色の差が発生します。
経験者としてアドバイスすると、下の写真のような柱部分。飴色でツルッとした表面の柱ですね。

新築当初ニス仕上げされていたのか、時の流れとともに日焼けと手垢で飴色になっただけなのかわかりませんが、コイツは削ってください。安いランダムサンダー(E-Value 125mm 集塵ランダムサンダー 220W (EWS-220R) 藤原産業 集…)でも購入し、番手120ほどで削れば楽です。

柱を削ると白くピカピカに!新築みたいな匂いもしてきます。
下地調整もなかなか時間のかかる作業です。効率よく行い体力は温存しましょう。後に天井塗装という過酷な修行ステージが待っていますので・・・
難敵仏間の丸太
ここで様子の違う木材の登場します。ツヤツヤピカピカの丸太のような木です。仏壇ゾーンと掛け軸ゾーンを分断しているよく見かけるコレです。

なんとも気に入らない色・ツヤです。これもベルトサンダーを駆使し削ってしまいます。ものすごい勢いで削れていきます。ものすごい繊維質な削りかすが大量に発生し、養生シートを敷いていなかったことに軽く後悔。

半分削ると色の差も歴然。ソフトクリームでいうミックス味です。さらに削っていきます。ベルトサンダーで削れない狭い個所はディスクグラインダーで削ります。
ツルピカ丸太を全て削りました。

全て削って気づきましたが、丸太なので年輪つまり樹皮の層で削れている階層がバラバラになり、まだら模様になっていることに気づきました。少し嫌な予感がしましたが、これで下地処理完了。
養生する
下地調整ができたらマスキングテープなどで養生していきます。今回私は床など張り替えるのであまり汚れては困るという場所がなかったのでほとんど養生は施さなかったです。
ステインの塗布
いよいよネオステインを塗っていきます。主に刷毛で塗っていきます。液体の容器は水性なのでペットボトルを切ったものとかでもOKです。ちなみに水性といえど、衣服に付けば洗濯しても落ちません。汚れても良い服or服着ないを選択しましょう。
天井
塗装も掃除と同じく上(天井)から塗っていきます。今回塗るのは、和室の天井。天井の材質はプリント合板のような一般的な天井板です。
下地調整にサンディングなどは一切しません。天井なので、生活の中で触れることも無いので、とりあえずは色さえ乗ってくれれば良いと思い、そのまま塗装していきます。ただし、ホコリ・薄い蜘蛛の巣などが付着していましたので、それは拭き取っておきます。

これにそのままステイン塗れるの?と思う方も多くいらっしゃると思いますが、塗りました。施工例などありませんでしたが塗りました。誰かが塗らないといけないのです。和室の天井にステインを塗るか迷っている方!私は塗ってやりましたよ!

そして、この天井ステイン塗装が辛かった。上を向いての作業。ポジティブではない“上を向く”です。今回塗った面積は37㎡。およそ22畳という修業面積。もちろん2度塗りで仕上げます。
トータルで友人5人ほどに手伝っていただきました。所要時間は約3時間×3日間。
ステインが刷毛から垂れ目に入るのではないかというスリル。バスケ部もビックリ長時間のハンズアップ。友人からの文句(当然)に耐える精神力。総じて天井塗装は大変でした。
ですが持つべきものは友であり、これまでの信頼関係が重要であり、天井=人生
そんなことも天井塗装から学びました。
柱
続いては柱にステインを塗布していきます。天井の苦労を知った後なので楽勝です。ペンキと違い、塗りムラも起きにくいので、ドンドン塗っていきましょう。

敷居・鴨居
室内の木部を全て塗装。敷居・鴨居についてもステインを塗っていきます。鴨居などは溝などがあり、塗り忘れが発生しがちなポイントです。指さし確認しながらしっかり塗っていきましょう。
仏間
下地調整の際にわずかに嫌な予感がしていた、仏間の丸太。これにも豪快にネオステインを縫っていきます。するとどうでしょう。

トラ柄になりました。
しかも浅黒い、ワルなトラ柄です。仏間丸太+削剥+ステイン(オーク色)=トラ柄。
一気にきな臭い柱になりましたね。トラ柄が受け付けない方は削るところからやめておきましょう。僕はリノベーションテーマである「モダン」と「トラ柄」の融合を探ることにします。
引き戸
これがそこそこ難敵だった引き戸の塗装。サンドペーパーをかけなくてもかなり吸い込みが良さそうだったので、そのまま塗布しました。

ネックなのがガラスです。完璧を求める人は一度外す必要があります。ですが私は引き戸の枚数がかなりあり、ガラスを取り外すのが面倒だし、マスキングテープも格子により大量に必要(マスキングテープ高いよね)だったので取り外さずにそのまま塗装しました!なんせ水性ステインなので、ガラスに付着しても後から拭き取れる。これも水性ステインの魅力ですよ。
格子状になっていると高確率で塗り忘れが起きます。ご注意。

ちなみに後日ガラス交換もDIYで行いましたので、結局ガラスは交換しました。ガラス交換については、記事を書きましたので、そちらをどうぞ!DIY引き戸ガラスの交換!価格は?|セルフリノベーション.com
ステインの使用量
ここまでのネオステインの使用量は約6L。当初4Lで購入していましたが、足らなく慌てて追加発注。後々細かなDIY家具への塗装も考えて多めに買っておくのが良いですな。
まとめ
今回は屋内の木部をネオステインで塗装を行いました。
大まかな手順をおさらいすると、
- 塗料の選定
- 下地作り(研磨)
- 拭き取り
- 塗布(ネオステイン)
以上の手順となりました。
苦労した点は、やはり下地処理のための削り作業と天井塗装です。この2つの作業をいかに効率良く進めるのかがポイントです。
本文では伝わりにくいのですが、多くの時間を費やしました。2度塗りが基本ですが、場合によっては3回塗ることもあるかもしれません。ですが、室内の雰囲気はグッと良くなりました。今回オーク色のステインを使ったことにより、グッと古めかしい味のある空間となりました。みなさん妥協せず是非木部の塗装をやってみてください。
次回は「聚楽壁・繊維壁の漆喰塗り」を行っていきます。こちらもなかなかのヘビーな作業でした。お楽しみに。
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