DIYでモザイクタイル貼り
今回は水回りのリノベーションとして、タイル貼りを行いました。タイルでも今回扱うのはこれまたリノベーションの憧れ、モザイクタイルです。しかも工法はタイルonタイル(以下タイルオンタイル)で行っていきます。タイルオンタイルの情報が以外にも少なく、知りたい方も多くいると思うので、参考になれば。
目次
モザイクタイルとは
そもそもモザイクタイルとは何か?みなさんが思っている「小さいタイル」というイメージで合っているのですが、実はモザイクタイルの定義というのもあり、表面積が50平方センチメートル(50㎠)以下の小型平型の磁器質タイルのことをモザイクタイルといいます。
モザイクタイルを準備する
施工場所
今回タイルを貼っていく場所ですが、洗面所の腰板部分のタイルの上から重ねてモザイクタイルを貼り付けていきます。
元の状態がコチラ
大きな水色タイル、白目地でいかにも古いといった感じ。作られた当時としてはとてもベーシックなチョイスだったのだろうなという印象(当時を知らないけど)。
そして今回のタイル貼りでもっとも重要なのが、このタイルの上からタイルを貼るという行為です。
タイルオンタイル
このタイルの上からタイルを重ねて貼る工法はちゃんと存在します。
その名も「tile on tile(タイルオンタイル)」。
B級映画タイトルみたいな名前ですが、名前通り、接着剤を使ってタイル上にタイルを貼る。これだけです。既存タイルを剥がすことなく、新たなタイルを貼ることができます。
本当にこんな工法があって助かった。
モザイクタイル選定
モザイクタイルをどこにどんな工法で貼っていくか決まったところで、タイルの選定です。これがめっちゃ楽しいです。
個人の好みがモロに出てしまいます。本当はこんな言い方したくありませんが、センスです。
恥ずかしがらず自信を持って、この世で一番オシャレなヤツを選びましょう。
しかし!このタイル選定で気を付けておきたいポイントが3つあります!
それは「販売数量」「紙orネット張り」「目地タイプ」の3つです。そこそこに重要なので説明します。
販売数量
モザイクタイルは小さなタイルがいくつか集まり、30センチ四方程の1シートで売られていることが多いです。こんな状態が1シート。
※写真は芋目地、紙張りのタイルです。
これがこのまま1シート単位で販売されていれば良いのですが、私のようなインターネットダイスキーは当然こういった資材もネットで購入することになります。そうすると、この1シートが何十枚か入って1箱という単位でしか販売されていない場合があります。
先に施工面積を採寸し、最低必要シート数を算出するのですが、この1箱に入っているシート数が必要シート数にギリギリ足りない!となると、2箱買うことになってしまいます。大量に余りを出すことになるのでご注意を。
それと〔最低必要シート数+4~5シート=必要シート数〕として購入しておくべきでしょう。施工中に割れたりボツが出て、最終的に足りなくなったとき!恐ろしいことに、また1箱買いしなくてはなりませんので。
紙orネット張り
このモザイクタイルのシートですが、「紙張り」と「ネット張り」という2種類があります。
タイルの表側に紙が貼られてタイル同士を繋ぎ止めているものと、タイルの裏面にネットが張られて繋ぎ止められているもの。
紙張り
ネット張り
イラストで申し訳ない。
ネット張りのほうが作業は確実に楽です。
大きな差は、目地埋め時にわかりますが、紙張りは接着させた際に目地からはみ出した接着剤(モルタル等)を表側から確認し、ふき取ることができない。
ネット張りは表側からはみ出した接着剤を拭き取ることができ、しっかり目地材を詰めることができます。
偏見ですが、カッコイイと思ったタイルは、紙張りばかりです。
目地タイプ
モザイクタイルを選定・購入する際(ネット購入を前提)、目地タイプを選べる場合があります。選べる場合「芋目地(通し目地)」もしくは「馬踏目地(馬のり目地)」という2種類からというパターンが多いです。
芋目地(通し目地)
馬踏目地(馬のり目地)
大きな差ですし、ボーダータイルを検討している方には死活問題なので、目地の種類名称を理解しておきましょう。
購入したタイル
私は馬のり目地のホワイトボーダータイルという希望で探しておりました。
価格が安く、1タイルのサイズ感もイメージにぴったりなタイルを見つけることに成功。
ただこれが馬のり目地では無かったのだ。
格安ボーダータイル購入で同じ悩みを抱える人も多いと思います。良いボーダータイルだが、芋目地しかない。
ここで私はある秘策を思いつき、そのまま購入。
接着剤
タイルオンタイル工法で最重要ファクターともいえるが、接着剤。
接着剤の選定は本当に素人にはわからない。既存タイルの上からタイルをもう一度貼ることに適した接着剤とはなにか?
科学的な問題であり、接着させるモノ同士の相性の良し悪しなんてさっぱりわからない。
ですが安心してください。調べに調べてついにある接着剤に辿り着きました。
既存タイルの上にタイルを貼りたいけど、接着剤で迷っているという方は必見です。
記事の後半で紹介したいと思います。選択肢はこれ以外ないのではないかと思うほどのアイテムです。
これでタイル貼りに必要な材料は揃いました。
DIYモザイク貼り~ボーダータイル編~
では資材の準備ができたところで、今回のタイル貼りを「DIYモザイクタイル貼り~ボーダータイル編~」と称しましてさっそく施工に取り掛かりたいと思います。
下準備
最初にお伝えしておきたいのが、ボーダータイルの馬のり目地を完成イメージと持っていたのですが、「コレダ!」と購入したタイルが芋目地であったということ。
たっぷりタイルが届きました。なんだかエクセル感が強い。まさに新規シートである。
この芋目地で買ったこのタイルをなんとか、馬のり目地にできないかと考えた末辿りついた秘策、それがシートタイルを一度バラして強引に馬のり目地状に貼っていくという、
知性のカケラも無いチカラ技である。
もうやると決めたので、下準備開始。
といってもひたすらシートから、エクセルでいうところの「行」ごとにカッターで切り離していく。プロには見られたくない瞬間である。寿司屋でネタを剥がして食う奴が居ればバカだか、これも立派にバカである。
下準備完了。
接着剤を塗る
まずは接着剤を塗ってく。不思議なニオイを放つ接着剤です。これをプラスチックヘラで隙間なくまんべんなく平に塗っていく。
一度にすべての面を塗ってしまうのではなく、硬化時間を考慮して、まずは控え目の範囲で塗っていきましょう。
この接着剤、粘着力が物凄いです。ネチネチするのでニトリル手袋などを装着しておくこともお勧めします。
今回はタイルオンタイルなので接着剤ですが、モルタルなどでくっつける場合はまた勝手違うでしょうね。
くし目をつける
接着剤が塗れたら、次はくし目をつけていきます。正直とんでもない粘着力の接着剤でくし目をつけることにどれくらい効果が上がるのか疑問に感じますが、説明書・ルールに則りくし目をつけます。
立派な鉄のくし目ゴテを使用しましたが、使いづらい。モルタルなどでは無く、今回の接着剤であればプラスチックのヘラのようなクシ目ベラが安いし、使いやすそうです。
タイルを貼っていく
先ほど切り離したタイルを馬のり目地になるように貼っていく。が、ここで問題が発生。
シートから切り離したことによって、均等な目地間隔がわからなくなってしまった!この目地間隔が仕上がりの見た目を大きく左右するのである。
接着剤も硬化しはじめ、モタモタしている時間は無い。指先に全神経を集中させて、均等な目地間隔になるように貼ります。
またタイルが平行になっていることもチェック。
貼ることができたら、上から軽くゴムハンマーなどで叩き、より密着させる。平板などをあて木して叩くと均等に力が加わります。この叩きにより少しタイルがズレることもあるので、硬化していく前に調整し、目地を均等により平行に直します。
タイルの切断
タイルを貼っていく中で、避けて通れないのが端の処理です。今回のような馬のり目地で貼っていくと、端っこは必ず半端なサイズのタイルを貼ることになります、タイルの切断しておく必要があります。
タイルをカットする方法としては、タイルカッターなどのペンチみたいなツールもありますが、私はディスクグラインダーでカットしました。ディスクグラインダーおすすめです。カットの形が自由自在です。微妙な形の調整も可能です。砥石は石材用ディスクを使用。
タイルを切断していきます。
結構粉塵と破片が飛びますので、マスク&ゴーグル着用を勧める。
蛇口回りなどの細部
難所といえば難所なのですが、排水パイプや蛇口などの細かな個所のタイル貼りです。目地の間隔は必ずキープしておき、あとはカットした小さ目のタイルを貼っていけばOKです。最後に目地埋めするとなんだかんだ良い感じになります。
乾燥
これで接着剤でのタイル貼りは完了。乾燥に入ります。この乾燥時間が非常に重要です。
説明書の時間を守れば基本的にOKですが、雨が降っていたりした場合は余分に乾燥時間をとりましょう。24時間くらいでは乾燥しません。
私は基本的に週末作業なので、1週間放置で乾燥させました。
紙を剥がす
続いてはタイルに貼られていた「紙」を剥がしていきます。紙の剥がし方は簡単です。
スプレーで水を吹きかける→スポンジなどで水をなじませる→2~3分おいてから剥がす。
スプレーで水を吹きかけても弾くことがあるため、スポンジでなじませます。
この紙を剥がすことで、目地が露わになります。細心の注意を払いましたが、やはり目地の間隔、平行さともにガタガタでした。
紙を剥がすと、ノリなどが付着しているので、再度濡れスポンジなどで完全にノリのふき取っておく。
目地埋め
下処理
いよいよ仕上げの目地埋めを行っていきます。
まずは下処理として、目地からはみ出ている、接着剤を取り除いていきます。これをやっておかないとキレイに目地材が入りません。どんな状態になっているかというと
これです。接着剤を多く塗りすぎた場所にはこんな感じで接着剤がはみ出して硬化しています。
これをカッターや皮すきなどで取り除いていきます。この接着剤のはみ出しを削ぐ作業がなかなかの重労働です。紙張りのシートタイルの宿命です。やはり最初から接着剤を適量で塗る技術が必要なわけですが、素人にはなかなか難しい感覚だと思うので、戦ってください。
目地材を入れる
目地がキレイになったところで、いよいよ目地材を入れていきます。
今回使った目地材がコレ。
迷った末にこのイナックスの目地材に決めたのですが、迷ったポイントというのが「黒い目地材」を探していたのですが、屋内用・防水用の黒/ブラックという目地材があまりないのです。このイナックス目地材はダークグレー。ダークグレーって黒では無いよなと思いつつ。施工例写真などをいくつも見て、購入。
大丈夫です。黒目地材を探している方、
コイツ黒です。
説明書をよく読み、1kgあたり220ccの水で練ります。料理用の木べらで練る。こしあんみたいである。
そして練った目地材をゴムヘラで擦り込む。ゴムヘラ以外で良い道具は無かったので、ゴムヘラ買ってください。
見落としが無いよう、擦り込んでいきます。何回も何回も擦り込んでいきます。ゴムヘラを立てるように使うと力が入ります。
次に目地ゴテを使ってタイルの際をキレイにしていきます。目地ゴテのチョイスですが、目地の幅に合わせたサイズのものを使用しないとあまりきれいに目地が入りません。ですが目地ゴテ以外でベストなツールを発見しました。
それは「指」。指で目地をなぞるように詰めていくと、すごくキレイに仕上がります。
目地の拭き取り
目地材が入ったところで、仕上げにタイルに付着した目地材を拭き取ります。水で濡らし絞った布(ウエス)などで拭き取っていくのですが、ここでのポイントは「焦るな!」です。目地埋めしたばかりの状態で拭き取りを始めると、目地材が溶け出して汚れが広がります。なんだよこれってくらい広がってパニックになりやすいです。
目地埋めしたら、ほんの少し乾燥させてから拭いていきます。乾燥させすぎると、固まって拭き取れません。絶妙なタイミングが重要です。DIYタイル貼り紹介のサイトとか見ていると、「目地埋めが終了したら、濡らしたスポンジなどでふき取って完成♪」くらいのノリで書かれていますが、気を付けてください。
こんな状態の汚れが永遠に続きます。
完成
目地材が拭き取れたら完成です。正面から見るとやはり平行が取れていなかったりとアラが目立ちますが、上から見下ろすとそれなりに綺麗です。うまくごまかせています。
平日の夜に作業を行い、まさかの大変さに泣きながらなんとからここまでできましたね。白モザイクタイルに黒目地の境界線が美しくモダンな雰囲気を出していますね。
反省
ついにできたタイルオンタイルでDIYモザイクタイル貼り~ボーダータイル編~。完成したわけですがが、今回苦労したのは、目地埋め関連です。下処理と目地材入れ両方ともに100点満点とはいかないものです。
タイル貼りの失敗例としてこの写真
この写真に今回タイル張りで失敗だなと思う点が凝縮されています。
・目地の間隔がバラバラ
・はみ出た接着剤の取り除きが不十分だと仕上がりでこうなります
・汚れが拭き取りきれていない
以上今回私がやらかした失敗です。
これからタイル貼りをする方へのアドバイスは、「シートをバラすな」「接着剤つけすぎるな」「目地埋めで焦るな」の3点ですね。
使用アイテム
今回使用した資材を紹介しておきます。
まずタイルはシンプルな物を使用しましたね。このままの芋目地で使用してもかなりクールです。
男女両方に受けが良い、場所を選ばない万能シンプル!
そしてなんといっても今回は接着剤が重要でした。タイルオンタイル工法に適した最強のタイル接着剤がコレ。抜群の接着力でどんな場所にもタイルが貼れます。
使った資材・道具は以上ですね。
くし目コテは接着剤でベトベトになるので使い捨てになるかと思います。
ディスクグラインダーも電動工具としては安いので持っておいて損は無いアイテムですね!
まとめ
今回大変苦戦したセルフリノベーション、DIYでタイル貼り。ここまで失敗の数々を晒してきましたが、やはり素人ならでは失敗。プロなら絶対やらないこと全部やってしまったかなと。ただ、完成したタイルを通常の視線で上から見るとそれなりの出来栄えに見えます(言い訳)。
それでは今回のタイルオンタイルによる作業順序を簡単におさらいします。
- 施工面積採寸
- タイル選定
- 接着剤を塗る
- くし目をつける
- タイルを貼る
- 紙を剥がす
- 目地埋め
- ふき取り
以上になります。DIYタイル貼り今回初挑戦で開始前は簡単だろとナメていましたが、想像以上に大変でした。ボーダータイルを根性で馬のり目地にしたことが大きな原因で、特例ですね。もし、こんな特例をうちでもこれからやるけどどうしよという方は気軽にコメントください。
次回は悪夢は続くのか「キッチンタイル貼り」を行いたいと思います。
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