DIYで畳をフローリングへ
前回はリビングの床をDIYで新しく作っていきましたが今回はいよいよ、この床にフローリングを敷いていきたいと思います。
元は畳だった和室がいよいよフローリングへリノベーションします。はたして素人DIYで見事フローリングは完成したのでしょうか?
床の現状
下地完成
まずはフローリングを敷く前の床の状況を見てみます。
前回までのセルフリノベーションで、3部屋(畳)+1部屋(フローリング)だった部屋をひと続きのリビングにリノベーションし、フローリングを敷くため根太+合板の状態までやってきました。(前回記事:DIYで床を作ってみた!低価格で畳からフローリングへ|セルフリノベーション.com)

こんな感じです。初々しい合板の色と4部屋が1部屋になり、すごく広いです。ここに新たにDIYでフローリングを敷いていきたいと思います。
フローリングを選ぶ
フローリングの種類
まずはフローリングの選定からです。現在フローリングと一口に言っても種類が豊富です。その中から今回自分の要望を叶えてくれそうなものをピックアップしてみました。同じような趣向を持っている人なら、おそらく「無垢」「イノヴァー」「ジーロック」あたりに行きついてくると思います。今回はこの3種から選びました。
無垢
まずは無垢フローリングです。無垢床というのは、多くの人が憧れるフローリング。私もまずはこの無垢床から検討しました。
ただ、調べるほど今回のリノベーションには適していないという結果に。
まずは価格の問題。やはり床フローリングの中では“高級”な部類であり、借家のリノベーションでここまで予算を投じることはできませんでした。それとカビ問題。一度カビなどが発生すると厄介で、都合よく“味”だと自分を騙せる気がしない。それとリノベーションを進めるこの家は日本家屋であり、湿気の多いとされる日本家屋にそもそも適しているのかも疑問です。ということで無垢フローリングは却下!
ジーロックフローリング
続いては「ジーロックフローリング(G-LOC FLOORING)」。賃貸マンションなどの床DIYではかなりおなじみのジーロック。
コチラはビニールタイルのようなもので本物の木ではない。パズルのように、ボンドも釘も使用せず、はめ込んでいくだけの超簡単DIYフローリングアイテム。価格も無垢や合板フローリングと比較するとはるかに安い。本物さながらのプリント・木目、耐久性もあり、着脱可能、掃除も楽。フローリング界の革命児だ。
これしかない。もうこれしかないと。
サンプルを取り寄せ、必要数を割り出し、価格交渉をしていた販売社にいざ発注という午後!
返ってきた答えは
「午前に在庫切れになりました」
「(゚д゚;)」
フローリング選定が振り出しに戻る。まずはジーロックのデメリットを多く挙げ、自分を納得させる作業へ。
「柱など部屋の木部に塗布した、和信のネオステインオーク色とはそもそもピッタリ合う色では無かったよな」「無理してジーロックしかないとか言ってたよな」とか。
今回は縁が無かったという結論に。
イノヴァーフロア
絶望の淵に追いやられた時に出会ったのが、このイノヴァーフロア。これもフローリング界の革命児であるとともに、今回は救世主の名をもほしいままにすることになる。
イノヴァーフロアもまた、はめ込み式の釘・ボンドを使わないタイプの疑似木フローリングである。耐久性などの機能性の面でもジーロックと似ている。ただ、ジーロックフローリングとは違い、8mmと厚く硬い素材。ジーロックのようにカッターで切断はできないので、丸ノコを使用する。そうなると、騒音の問題からもマンション・アパートの1室では完結できない代物だ。
さらにイノヴァーフロアの特徴を挙げると、ビニールっぽい質感はなくサラリとしている。木目の凹凸が控えめ。店舗用の床としても利用されているらしく土足OKの強さだ。嬉しかったのはジーロックを凌ぐ価格だ。
一度ジーロックに走っていた自分では説得力が薄いが、イノヴァーフロアのカラーラインナップの方がかなりツボを抑えている。カラーはバレンシアオークという色をチョイス。
色によってはB級品の流通もあるようで、マジで安く価格優先DIYでフローリングを作るならアウトレットのイノヴァーフロアが最もおすすめできます。
ということで今回はイノヴァーフロアによる、DIYフローリング施工をしていきます。
下準備
不陸調整材
早速フローリングを敷いていきたいところですが、その前に床の合板の上に不陸調整材というものを敷いていきます。
不陸調整材は合板などの継ぎ目の段差を埋めてくれる、クッション材のようなものです。素人からしてみると、あれだけ苦労して合板をフラットに張ったのに必要なのか?と思ってしまいましたが肉眼では確認できない段差などもあり「絶対に必要」とのこと。イノヴァーフロア専用の不陸調整材を購入しました。
届きました。不陸調整材なので列の継ぎが目重なり合わないように気を付け敷いていきます。


継ぎ目は養生テープなどで繋ぎ止めていきます。タッカーなどは特に使用しません。
これは難なく作業完了です。
補足ですが、この不陸調整材の代替品を探しており、陶器などを梱包する際に使用するポリエチレンシート(安いので)も考えましたが、どうもイノヴァーフロア専用不陸調整材シートとは見た目は違いましたね。

ケチらずに専用シート購入が良さそう。
フローリングを敷く
仕様道具
まず使用する道具なのですが、専用の道具も販売していますが、全て代替品にて用意できました。

スペーサーはベニヤを細かく切って用意(厚5mmベニヤ使用)。楔(くさび)も解体時に出た木材をカットして利用。フローリングの引き寄せ金具もホームセンターでアングルなどを組み合わせて作成。ハンマー&あて木もあれば完璧。

これでなんとかなります。イノヴァーフロアは「専用資材」という言葉が好きなので、とにかく安くDIY施工したい方は副資材でのコストアップの可能性があるので注意が必要です。
イノヴァーフロア施工
さていよいよフローリングを敷いていきます。
イノヴァーフロア張り方、説明書は取り扱い販売店のホームページなどに掲載されていますので参考に。
取扱店商品説明図(リンク)
まずは届いたイノヴァーフロアを作業場に運び込むのですが、これがそこそこ重い。1ケース16kg。調子に乗って3ケース持ちを試みましたが無理。2ケースずつ石階段をのぼり家の中へと運ぶこと15往復。だいたい12,13あたりでオールアウトしますが全て運んでパンプアップ完了!パンパンっス!
フローリング貼り準備完了。

開封し、いよいよフローリングを敷いていきます。
原則部屋の左奥から敷き詰めていきます。正方形の部屋ならば、超簡単にフローリングが仕上がるのですが、変則的な部屋の形ならば苦労します。
苦労したポイントを間取りで示します。

難しいのは、敷く方向が変化したり、合流するようなポイントです。部屋の形状がそれぞれだと思うので、機転を利かせながら、割り付けは常にシミュレーション。
「釘もボンドも使わないので、カンタン」とも言われますが、素人にとってはやはり難しい作業でした。常に割り付けを気にしているので、想像していたよりも進行が遅いです。

フローリング材のカットには丸ノコを使用します。ここまでDIYリノベーションを進めて来ると、丸ノコ定規を使わなくてもまっすぐ切断できるようになってきました。
ここで超予備情報なのですが、このイノヴァーフロア切断時、粉塵がなぜかカカオのような甘い香りがします。信じがたいのですが本当にカカオの香りがするのです、しかも茶色く、それはティラミスのよう。
梱包されていたケースには「メイドインマレーシア」。
・・・まさかと思い、ひとくち。
うーん、違う。
違いました。
全然違いました。近かったんですけどね。




ようやくここまできました。
ここから柱回りに突入し、一気に仕上げにかかります。


柱などの障害物回りは、障害物の寸法をとり、なおかつクリアランス分を足した寸法でフローリング材をカットしていきます。電動丸ノコと手ノコを駆使して細かい形をとっていきます。
隙間(クリアランス部分)は最終的には見切り材や巾木で仕上げるので、多少の隙間のズレは気にしない。ポイントはやはり常に割りつけを意識しながら、クリアランスをとる。
ケース単位での購入しかできないので、やはり失敗は少なくなるよう慎重にいきましょう。素人にはよく考え慎重に進めることくらいしかできません。
壁際のフローリング端は以下のように細い隙間になります。もったいない気もしますが、フローリング材を細長くカットしてはめ込みます。



障害物回りをクリアしたら、またひたすら1列敷いては端をカットの繰り返し。そして最後の1ピースをはめ込んで完成です。最後に部屋の隅全体を引き寄せ工具を叩いて寄せて仕上げます。
完成
ついに完成したイノヴァーフロアを用いたDIYセルフリノベーションによるリビングフローリング施工。一続きのフリーリングというのはやはり美しいです。超広角レンズカメラで撮影してみると圧巻の広さ。


天井と柱などの木部と色調が揃い、かなり統一感が出てきました。「ヴィンテージ」という言葉より「古き良き」みたいな雰囲気になりました。グリット感もたまらない。
実際にこのイノヴァーフロアのフローリングを歩いてみた感想は「滑る」「フラット感が強い」という印象がありました。滑るのは粉塵の影響もあると思いますが、生活の中で改善されそうです。それと溝も無くフラットで疲れにくいと思われます。長時間部屋の中で立っていることは無いとおもいますが・・・。
補足ですが、無垢フリーリングとは質感がまったく違います。ジーロックとも質感は大きく異なります。質感としてが近いのは合板フローリングです。
照明の反射からもわかりますが、マットな光沢感があります。渋いカラーとこの光沢感がアンバランスに感じる人もいると思います。
フローリングにかかった費用
かなり安い
さて、畳からフローリングへ変更した今回、いったいいくらでリノベーションができたのか?材料費を出してみたいと思います。
施工面積:47.9958㎡
フローリング材(25ケース) ¥5,780/ケース
不陸調整材シート(2ロール) ¥5,832/ロール
自作引き寄せ工具 ¥400
合計¥156,564(送料・税込み)
1㎡あたり¥3,262
フローリングを敷き始めた序盤では、素人らしく割り付けに難航し無駄を出してしまいました。それでも予定ケース内で施工完了です。平米単価は¥3,262で安く済んだという印象。イノヴァーフロアの中でも人気のバレンシアオークを使用してこの価格なので、在庫過多の人気の無いB級品を使用した場合は4割程は安くできそうです。
まとめ

ついにフローリング施工を完了し、ご覧の通りこれまでの部屋の雰囲気から一気にオシャレ空間へと変貌した。最低限の費用でDIYリノベーション、床材はこの一連のリノベーションの中で最もコストのかかる作業ではありましたが、その効果のほどは抜群です。
DIYフローリングの作業自体も、釘・ボンドを使用しないことによりかなり難易度も下がりなんとか素人でもここまで仕上げることに成功しました。
古めかしいけど清潔感を出すことで、畳からフローリングに変更して本当に良かったなと思います。ナイスリノベーション!
この後は壁際に巾木・見切り材を取り付け完成となります。その作業はまた後日。
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