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【オススメ】和箪笥・茶箪笥をアイアン脚DIYリメイク術|セルフリノベーション.com

和箪笥・茶箪笥リメイク

これまで内装のリノベーションを中心に進めてきましたが、日本の古家具である、和箪笥・茶箪笥のリノベーションをしていきたいと思います。リメイクとも言えますね。

これまでキッチンなどもリメイクしてきました(過去記事:DIYキッチンリノベーション!費用安く木調ヴィンテージ)

その中で本日リメイクしていくのは、茶箪笥(ちゃだんす)です。わかりやすく言い換えると「お茶グッズ収納棚」。

 

これまでにも登場した、“奇跡のおひつ”(過去記事参照:長押裏の隙間を埋める)など前住人が残していってくれたアイテムの数々。その中にこの茶箪笥もありました。

今回リメイクする茶箪笥がコレ。

 

茶箪笥には赤べこや伊豆の踊子的な人形などのご当地置物土産、飾り皿がズラッと並べられていた。古い家で育ってきた人にはわかると思うが、茶箪笥お馴染みの風景だ。これを今回、モダン和風な茶箪笥へとリメイクしていきたいと思います。

 

 

茶箪笥の現状

まずはこの茶箪笥の現状から。

この家にやってきたときから、かなりの存在感を放っていたこの茶箪笥。素人目だか見た感じは非常に状態が良い。棚に入っていた置物を整理していると、ある紙が出てきた。そう、この茶箪笥の領収書だ・・・!そしてこの茶箪笥の正体が判明した。

まずこの茶箪笥は1994年に作られたものだということ。製造元は長野県で信州家具職人によってオーダーメイドされたということ。そして価格は赤べこが200体は買えるであろうお値段。

古い茶箪笥といわれて期待するほど歴史あるものではないが、捨てるにはまだ早いと見た。

材質はナラかケヤキあたりの無垢材。ニスか柿渋あたりで仕上げ塗装がされている。取手などの金具は綺麗でまだまだ使えそう。茶箪笥の状態は以上の感じです。

 

リメイクプラン

茶箪笥の現状を踏まえて、リメイクの計画を立てる。

塗装が部屋のイメージにマッチしないので、再塗装する。もちろん無垢材の木目を活かす仕上げにしたい。

そして日本家具特有の見た目の重量感を消し、床掃除をしやすくするため、新たにをつける。あとはこの茶箪笥の直線美を微妙に妨げている、ウネっとした真ん中の棚を無くしたいと思います。

非常に入り組んだ造りになっている茶箪笥。どこまで和モダンなリメイクに仕上がるのか楽しみです。

和箪笥でも同様のリメイクは有効に思えます。脚つきのキャビネットみたいになりそうですよね。

 

金具を外す

最初に取り掛かるのは取手などの金具外し。塗装の際に邪魔になってしまうので、取り外していきます。

丸型の引手はインテリアバールやスクレーパーなどで持ち上げて外します。スクレーパーを使用しました。

釘などで固定されていなく、接着剤での固定でした。接着剤も劣化していてすぐ外せました。金具も再利用するので、曲がらないように慎重に。

次は引き出しの取手を外す。これは引き出しの内側からナットで止められていました。ペンチでナットを回して外していきます。

引き出しも引き戸もそこそこ数がありましたが、金具の取り外しに成功。

 

台輪を外す

続いて「台輪」と呼ばれる部分を外していきます。下の写真のイエロー点線の部分。

台輪なんて名称は知りませんでしたが、台座的なものですね。日本家具・建具のおもしろいところで、事細かに各部位に名称があります。

 

台輪の接着方法は釘とボンドで固定されていました。木材同士の繋ぎ目にバールを差し込んで、木を浮かせる。そしてまた木を叩き込むと釘頭が出てくる。それを釘抜きで抜く。思っていたよりも、簡単でキレイに台輪を取り外すことができました。

 

この台輪の有り無しで外観が大きく変わります。これが、見た目の“重たさ”の原因です。

再塗装しなければ、この段階で茶箪笥に脚をつけるだけでも洒落た仕上がりになりそうです。

 

曲がり棚を外す

ガラス引き戸の中にある、うねっと曲がった棚を取り外していきます。茶箪笥には高確率で取り付けてありますよね。

直線の美しいデザインを目指しているので、この棚は不要。どうやって取り付けられているのかもあまりわからないので、大胆に手ノコで切断していきます。

 

切断しながらわかったのですが、継木と接着剤で固定されていました。ある程度棚を切り、トンカチで叩くと取外しできました。

 

 

塗装はがし

続いて茶箪笥の塗装剥がし。この茶箪笥リメイクにおいては最もヘビーな工程です。

入り組んだ造り故に、この塗装剥がしが一番悩みました。

和箪笥ならば平面が多く、削りやすいと思いますが、茶箪笥はかなり入り組んでいるだけに苦労します。

 

塗装剝がしに関しては古家具のオーバーホール専門店などのブログなどが情報源になるかと思いきや、あまり具体的な施工方法が記されていない。インターネットダイスキーには厳しい状況である。

 

・・・何はともあれ、まずはやってみる。

塗装剥がしの大部分は電動サンダーで削り取るとして、塗装剥がしの最難関は細部。これは絶対。ということで最初は細部の塗料を剥がしていく。

 

引き戸レールの溝部分はサンダーで削り過ぎて変形すると、厄介なので剝離剤を使う。

剥離剤だとシミができるという説もあるので、細部の中でも目立たない箇所限定で剥離剤を使用する。使用する剥離剤は、私の二の腕を焼いたことでもおなじみ“ネオリバー”(過去記事参照:襖を壁紙でオシャレにDIYリノベーション①)

剥離剤を塗り、しばらくしたらワイヤーブラシで削る。

 

 

なんか粉を吹いた程度で、あまり効果がない。剥離剤はダメそうです。細部はとりあえず保留。

 

 

次に大きくに削っていきます!まずはベルトサンダー!超人的な研磨力を誇り、非力な人では体ごと機材に持っていかれる、まさに暴れ馬。
細部の研磨には向いていないので、大まかな研磨を行っていく。今回ベルトサンダーはお借りしました。ありがとうございます。

番手は#80か#60といったところ。木目に沿ってガンガン削っていきます。

塗膜表面が削れると一気に木目まで到達してしまうので注意。無垢材の綺麗な木目が出てきます。

 

続いては、コーナーサンダーで削っていきます。これでベルトサンダーでは削れない細かい箇所を攻めます。

今回は思い切って、マキタのコーナーサンダーを買ってみました。

これが抜群に良かった。

ゆうてもランダムサンダーよりも研磨力は劣るだろうとナメていましたが、否。安物のランダムサンダーよりもはるかに高い研磨力です。本当にパワーが違う。

これまでは無名の安いオービタルサンダー・ランダムサンダー使ってきましたが、研磨にかけてきた時間を返してほしい。

コーナーサンダー激しくお勧め。

これで多くの部分の塗装が剥がせました。ですがコーナーサンダーをもってしても、まだ細かな箇所の塗装は残ったままです。組み立ててある家具の塗装剥がしは想像以上に難しいようです。

 

 

ここからさらに細かい塗装剥がしは、ノミを使います。小型の刃幅9mmのノミを使用。ちなみにホームセンターで買うと高いので、やはりネットがおすすめ。

これで茶箪笥細部の塗装を削り取っていきます。引き戸のレール部分の塗装もこれで削れます。

ノミで削ったあとは、ささくれなどがあるので、サンドペーパーなどで馴らしておきましょう。ケガします。

 

これで塗装剥がしは全て終了。引き戸の中などの塗装は剥がしていません。外側から見える箇所の塗装を全て剥がしました。

木の地の色のみとなりました。ベルトサンダーがえぐった、削り跡などもありますが、荒っぽい仕上がりが個人的には好きなのでこれでOK。

 

 

さらにここから、茶箪笥の最上段の収納スペースが見た目のサイズ感が気に食わなかったので、切断してしまいました。下の点線の部分。

丸ノコでザックリ切断した後、ベルトサンダーをかければ完了。とっても良いサイズ感になりましたよ。

背板部分は上から新しい木を貼るので、そのままにしてあります。イイ感じになってきました。

 

茶箪笥を塗装する

続いて、茶箪笥を塗装していきます。

使用する塗料ですが、染色系の塗料で考えた結果・・・

本リノベーションでは初登場のブライワックス

オシャレDIYには必須のアイテムです。ブライワックスというと比較的価格が高いというイメージもありますが、実際のところはまぁまぁ安いです。

塗装剤というより、ワックスなので仕上げ材である。

超メジャー商品のブライワックスは、素人からプロまで多くの人に多種多様な使い方がなされ、情報が交錯しているのが実際のところです。調べていくほど、どんな物かわからなくなっていきます。

ということでブライワックスが結局のところ、どんな特徴を持ったモノなのか?

分かりづらいので説明しておきます。

 

ブライワックスとは?

まずブライワックスは、“着色能力を持ったワックス剤”であるということ!これが前提です。

着色しつつワックスという仕上げ機能を持つアイテムです。

よくあるのがブライワックスの着色面がピックアップされて、ステイン剤(特にワトコオイルステイン)などと比較されがちですが、正直それぞれ単体同士を比較すること自体、疑問符がつきます。オイルステインの上にブライワックスというのも違います。ブライワックスの下地ステインは水性が正解です。

 

ブライワックスの特徴は、熱や水、擦れに弱く、仕上がりはとてもオイリー。滑ります。ということで日常的に身体が触れることになる、床やテーブルなどブライワックスを使用するのは絶対NGです。

テーブルに使われがちですが、やめたほうが良いです。色は移るし、服に油が付きます。

乾拭きの掃除で済むような箇所が最適です。

適しているのは、専ら飾り系の物です。とにかく普段あまり触れることのない物です。掛け時計や額縁などの小物、取手のついたキャビネット、飾り棚、今回の茶箪笥も適合していると言えそうです。

 

色数も豊富で、さらに推奨されているウッドダイ水性ステインと組み合わせるかかなり複雑な色を表現することができます。ブライワックス単体でも色をつけることができるので、ステインについては好みで使用します。

 

ブライワックスを塗る

さっそくブライワックスを塗り込んでいきます。

この日は、リノベーション初期から手伝ってくれている、友人O氏が塗り担当。

 

 

今回使用するブライワックスの色ですが、ラスティックパインを使用しました。ブライワックスの色の豊富さには本当に頭を抱えましたが、地の木の色を生かしたいのでラスティックパインに決定。

ラスティックパインの色で悩んでいる方がいれば、是非参考にしてください。

 

寒い季節だったので、固形の状態になっていました。固形のままでも塗れますが、塗り込みに辛いです。そこで投光器で照らしてみると溶けてくれました。我が家の投光器はかなり熱を発するので、暖もとれます。冬のDIYにはおすすめアイテム。

 

さぁ実際に塗ってみます。

ウエスに少量とり、ひたすら塗り込む。

 

 

左の方がすでに塗った場所でその色の差は正直あまりありません。ですが、たしかに木にシブさが増します。

使ってみた感想は、「想像よりも減りが早い」という印象。適度というのがわかりにくく、塗り込むので減りが早く感じました。

ブライワックスの塗り後は触ると、ものすごい油です。とてもオイリー!とても身体が触れる場所には使えないと改めて感じる。

ラスティックパインの色の感想はおおむねイメージ通り。木材に良い意味での古さが出てくれました。

 

金具を再取付

塗装の工程が終わったら、最初に外しておいた取手などの金具類を再度取り付けていきます。

錆び付いたナットなどがあれば交換しておきます。取手には一部塗装の剥げもありましが、気にならない程度なのでそのままにしておきます。

酷くなってきたら、脱脂してラッカースプレーでもします。

 

 

最初は茶箪笥が濃い茶色でしたが、色も変わり、入り組んだ取手の形状もあり、なかなかの存在感を放っています。思い通りのイイ感じだ。

 

アイアン脚取付

そしていよいよ、茶箪笥に鉄脚を取り付けていきます。

鉄脚はビス止めします。ですが、茶箪笥の底板の厚が足りないので、かさ増ししておく必要がある。

床に転がっていた、ワンバイ材をカットし、ブライワックスで着色した後、底面の四隅に取り付けておきます。

 

 

これでOK。

ここにいよいよ鉄脚を取り付けていきます。

取り付ける鉄脚はコチラ。

 

 

この鉄脚はTEKOLABO/鉄脚+古材ラボさんにて購入。無料でカットまでしてくれます。今回はベンチに使う鉄脚よりも短くカットしてもらいました。

この鉄脚をビス止めで取り付け、完成です。




 

完成

仕上げに鉄脚を取り付け、ついに完成した茶箪笥がコチラです!

仕上がりましたね。手前味噌ですが良い。かなり良い。茶箪笥の古臭いイメージからガラリと変わった。モダン和風というテーマに当てはめるならば、すこしモダンな要素があっても良いかな。
当初の色も暗めで見た目も重い印象がありましたが、明るく木の地を生かした色、脚をつけて浮遊感をもたせたので、部屋の印象を明るくしてくれるインテリアとして生まれ変わりました。

立派なアイアン家具の完成です。




 

まとめ

前住人から受け継いだ茶箪笥のDIYでのリメイクを進めてきました。

そして再塗装と鉄脚の取り付けにより、茶箪笥リメイクは想像以上に良い出来に仕上がるという結果になりました。

作業内容は、塗装剥がし工程が最も苦労したポイントになりましたが、再塗装で印象はガラリと変わったので、苦労した価値は十分にありました。

 

茶箪笥は流通量も多く、状態が少し悪いものなら格安で手に入ると思います。荒っぽく再塗装するならば多少の傷も無視できますので、機会があれば是非とも試していただきたいです。

和箪笥は現在の一般家庭ではほとんど使用されていないと思うので、手放す人が多いと思います。安く手に入れ、リメイクして生き返らせましょう!

日本家具+鉄脚ブームを予感するほど良い仕上がりに満足。

 

次回はここまでのリノベーションで使用してきた足場板でテーブルを制作してみたいと思います。足場板+アイアンは成功したのか?>>>古材の足場板でテーブルDIY!価格に驚愕|セルフリノベーション.com

 

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